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円安は日本にとってプラス?それともマイナス?

2014年09月12日(金)

円安の流れが急激に進んでいます。9月9日には1ドル=106円台までつけ、本日12日の午前、ドル円は107.31円まで6年ぶりの高値を塗り替えました。

今回の円安の原因としては

・米国景気の強さ
・近い将来の金利上昇の予測

が挙げられています。詳細については以前のブログ(url)にても参照することができます。

さて、今回のブログは少しFXの話題から外れて、政治的な面でこの円安の流れが日本にとってプラスなのか、マイナスなのかというところに触れていきましょう。

ただ為替の売買をするでなく、政治や経済的な側面も考えてみることで、為替の取引はより一層楽しいものとなるはずです。

今回の円安は日本にとってプラスなの?

では、結局今回の円安は日本にとってプラスとなる出来事なのでしょうか?円安とは純粋に、円の価値が下がっていくことでもありますから、このまま円安が進んでいくと、日本にとってなにか不都合なことは起こらないのでしょうか?

今回はこの問題を検証していきましょう。

円安のメリット

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まずどのような面が円安によってプラスになるかを考えて見ましょう。

まず円安となることで日本が享受するメリットは下記のようになります。

・輸出の拡大
・海外企業からの収入の増加

「輸出の拡大」について。日本は自動車産業が盛んであり、多くの製品を海外に輸出しています。円が安くなることで、海外に住む人は日本の製品は安く買うことができるようになるので、輸出量も増えるのです。

次に「海外企業からの収入の増加」について考えてみましょう。

こちらは円安になることで、海外で得た収益を日本円に変換する際に、通常よりも多くの金額を取得することができるのです。よって海外企業に多くの支社を持つ日本企業は、円安によって儲かるのです。

円安になることで、主に上記2点のメリットを挙げることができます。

日銀の黒田東彦総裁は「今の水準から円安になることが、日本経済にとって何か非常に好ましくないとは思っていない」と名言。

円安を歓迎する発言に注目が集まっています。

円安のデメリット

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次に円安のデメリットを考えてみましょう。

円安となることによるデメリットは以下の通りです。

・エネルギーコストの拡大
・小売や食品業などの下部は下落する?

まず、日本は東日本大震災以降、エネルギーコストを輸入に頼っているという現状があります。過去には、円安により、貿易収支が増えたケースはありますが、輸出よりも輸入が多い今となっては、状況も変わってきます。

現在、貿易赤字も25ヶ月連続という最長記録を更新中です。貿易面において、今回の円安はマイナス面がやや強く意識されているのではないでしょうか。

日銀の見解は

先ほども紹介しましたが、日銀の見解としては、円安によって収益が拡大する企業が増えることで、その効果が他の企業、家計などに影響し、日本経済にプラスになるという見方が優勢となっています。

政府の見解は

菅義偉官房長官は11日午後の記者会見で為替が1ドル=107円につけたことに関して、「為替の水準やその背景は政府としてコメントすべきではない」とした上で「メリットとデメリットの両面がある」とコメントしています。

まとめ

上記でも紹介したように、円安が日本経済にとって必ず良い方向に向かうか、悪い方向に向かうかは断言できない状況にもあります。一方で、今後の円安の流れについては、米国の景気が強まっていることに要因があるので、この流れはしばらく続くとの予想が強くなっています。