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FX口座の比較でよく見る「pips」ってなんなの?

誰が豚やねん

FX(外国為替証拠金取引)について調べたり、FX取引をしている方の話を聞くと

「800pipsの利益が出た」
「30pipsに設定」
「1年間で1万pips獲得可能」

みたいな「pips」という表現に出くわすはずです。

これ、初心者にとっては非常にわかりづらいですよね。
もっとシンプルに、

「10万円の利益が出た」
「1000円に設定」
「1年間で100万円獲得可能」

みたいな感じで書いてくれた方が、とってもわかりやすいと思いますよね。

私もそう思います!

しかし、pipsで表現した方がいい理由というのが、しっかりとあります。

今回は、pipsとはなんなのかとともに、それを用いる理由に関して解説します。

pipsの示す内容は「100分の1」

pipsについて調べた初心者の方は、必ず「pipsとは、取引レ-トの最小単位のこと」と言われるはずです。

「わからん!それがどうした!」

となると思います(私もそうでしたから)。

そもそも、「pips」は「pip」の複数形です。
1pipがたくさんあって、50pipsとかって表記してます。

では、「pip」とは?

pipは、Percentage In Point」の頭文字を取った略称です。

Percentage = 百分率(パーセンテージ)
Point = 小数点

つまり日本語で考えると、100分の1って意味です。「パーセント」に似たような単位であると考えればわかりやすいかもしれません。
そして重要なポイントですが、このpips、その時のケースに応じて示している内容が変わります。

為替レートを示すとき

FX取引上、為替レートはその通貨の最小単位の100分の1ずつ値動きすると決まっています。

例えば円の場合、日常使用する最小単位は「1円」なので、100分の1は0.01円=1銭です。

ドルの場合、ドルの下にセントがあります。したがって最小単位は1セントとなり、100分の1は0.01セント=0.0001ドルです。

従って、円の場合は1銭、ドルの場合は0.0001ドルずつ為替レートが値動きします。

為替レートにおいてpipsを用いる場合、この値動きの量を示します。

1pips=為替レートの最小単位=ある通貨の最小単位の100分の1

例えば
「円が10pips値動きした」
というと、円の最小単位の100分の1は1銭のため、
「円が10銭値動きした」
と言い換えることが可能です。

「ドルが20pips値動きした」
というと、ドルの最小単位は補助通貨のセント、1ドルは100セントですので、
「ドルが0.01セント(0.0001ドル)値動きした」
と言い換えることができます。

取引結果を示すとき

「今日は50pipsの利益が出ました」

というような表現をすることがあります。
これは、取引した通貨の量に対してどの程度の損益が出たのかを示します。

例えばこの時、1ドル100円で1万ドルの取引をしていたとしましょう。
すると取引額は
1ドル100円 × 1万ドル = 100万円
となり、100万円の取引をしたことになります。

この時、1pipsは取引額である100万円の100分の1、1万円となり、「50pips」の利益というのは「50万円の利益」を出したことになります。

pipsを用いると通貨を問わず同じ考え方ができる

そもそも、なぜpipsというややこしい単位を用いるのかと言いますと、FX取引は通貨ごとに持っている価値が異なる上、取引手法ごとに客観的な評価を行うことが難しいためです。

(Aさんの場合)
・ 通貨ペアはドル/円
・ 1ドル100円で10万ドル購入(レバレッジ無)
・ 1週間後、1ドル102円になった時点で売却

(Bさんの場合)
・ 通貨ペアはユーロ/ドル
・ 1ユーロ1.4ドルで1000ユーロ購入(レバレッジ無)
・ 1週間後、1ユーロ1.7ドルになった時点で売却

この場合、どちらが有能なトレーダーか、簡単に判別できますでしょうか?

Aさんは、1ドル100円で10万ドル買っているので、1000万円分の取引を行っています。
結果、1ドル102円で10万ドルを売却、得られた為替差益は20万円です。

Bさんは1ユーロ1.4ドルで1000ユーロ購入しているので、1400ドルの取引を行っています。
Aさんと同じ1ドル100円で日本円に換算すると、14万円の取引です。
結果、1ユーロ1.7ドルで1000ユーロ売却しているため為替差益は300ドル(3万円です。

日本円で見たときに、為替差益はそれぞれ
Aさん=20万円
Bさん=3万円
ですので、一見するとAさんの方が優れたFX取引を行っているように見えます。

しかし、元の資金が
Aさん=1000万円
Bさん=1400ドル(14万円)
であることを考えると…

Aさん:1000万円→1020万円(2%増
Bさん:14万円→17万円(約20%増

このように、元の資金からの比率でみると、Bさんの増加量はAさんの10倍となることがわかります。

これをpipsで見ると、もっとわかりやすく考えることができます。

(Aさんの場合)
・ 通貨ペアはドル/円
・ 1ドル100円で10万ドル購入(レバレッジ無)
⇒1000万円分
⇒1pip=1000万円×100分の1=10万円
・ 1週間後、1ドル102円になった時点で売却
⇒為替差益20万円、20万円÷10万円=2pipsの利益

(Bさんの場合)
・ 通貨ペアはユーロ/ドル
・ 1ユーロ1.4ドルで1000ユーロ購入(レバレッジ無)
⇒1400ドル分
⇒1pip=1400ドル×100分の1=14ドル
・ 1週間後、1ユーロ1.7ドルになった時点で売却
⇒為替差益300ドル、300ドル÷14ドル=約20pipsの利益

このように、Bさんの取引を日本円に換算しなくても比較することが可能になります。

複数人での比較だけではなく、pipsで比較すると「先月と今月の取引の比較」などにおいて、取引した金額によらず純粋にどの程度資金を増やせたのかを比べることができるので、非常に便利です。

また、pipsで表現することによって、元資金がいくらであったのか、どの通貨ペアで取引したのか、具体的にいくらの利益が出たのかなど、取引に関する重要な情報をあいまいにしたまま、自分の取引結果を表現することができるのです。

まとめ

pipsを覚えると、為替差益の計算等が楽になりますし、自分の取引内容を客観的に見返すことも可能です。

ぜひ覚えて、定期的に取引内容を見直し、取引戦略の向上に役立ててください。