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「売りから入る」って? 取引の仕組みを再確認

FX(外国為替証拠金取引)においては、差金決済が採用されているという話は「レバレッジを理解する。FXの大きなポイント!」で解説しました。

簡単に復習しますと、差金決済とは「買い」と「売り」を1セットにし、両方が完了した時点で1つの取引とみなし、その結果生じた「売値」と「買値」の差額のみを決済する、という決済方法です。

通常、モノを売買する際は
・ まず、売るための商品を買います。
・ 次に、買いたい人に対してその商品を売ります。
この流れで行われます。

しかし、差金決済の場合は実際にやり取りするのは「買った値段」と「売った値段」の差額のみのため、

・ とりあえず、買いたい人に対してある商品を売ります
・ 商品を買い付けて、その人に送ります。

このように、「売る」行為を先に行うことができるのです。

「買い」から入る場合

買いから入る場合

これは、通常の商品の売買と同じイメージです。

基本条件

・ 通貨ペア、レート:米ドル/円(1ドル100円
・ レバレッジ:5倍
・ ポジション:1万ドル購入
・ 取引証拠金:50万円

※ 必要証拠金:20万円

取引の仕組み

(1) 取引金額を借り入れる

証拠金がある一種の担保であるという話は、「全てはここから! 証拠金ってなんだ?」で解説しました。

今回の場合、必要証拠金20万円を担保に100万円を借りている形になります。

ちなみに、レバレッジをかけていない場合は、必要証拠金100万円を担保に100万円を借りることになります。なんか変な感じです。

(2) 対象の通貨を購入する

1ドル100円なので、1万ドルを購入するには100万円が必要です。
先ほど借り入れた100万円で購入します。

(3)為替が円安方向に動くのを待って、決済する

為替相場が1ドル102円の円安方向に動いたとします。

ここで、決済をすることにより、当初1ドル100円だったものを1ドル102円で売ることができました。

1万ドル保有していたため、全額売ると102万円になりました。

(4) 借りたお金を返す

当初借りていた100万円を返却します。
その結果、為替差益として2万円が残りました。

買いから入った場合は、元の通貨が安くなると利益が出る

上の例で言いますと、買った米ドルの価格が高くなれば、売った際に利益が出ます。

米ドルの価値が上がった時、相対的に円は安くなっているので、円安方向に進むと利益が出ます。

「売り」から入る場合

売りから入る場合

売りから入る取引は、まず商品を借りて売ってしまい、それを安く買い戻すことで利益を出す取引です。

基本条件

・ 通貨ペア、レート:米ドル/円(1ドル100円
・ レバレッジ:5倍
・ ポジション:1万ドル売却
・ 取引証拠金:50万円

※ 必要証拠金:20万円

取引の仕組み

(1) 取引金額を借り入れる

今回の場合、必要証拠金20万円を担保に1万ドルを借りる形をとっています。

(2) 対象の通貨を売却する

1ドル100円なので、1万ドルを売却すると100万円が手に入ります。

(3)為替が円高方向に動くのを待って、決済する

為替相場が1ドル98円の円安方向に動いたとします。

ここで決済をすることにより、当初1ドル100円だったものを1ドル98円で買うことができました。

1万ドルを買うのに必要な金額は98万円です。
現在100万円を持っているため、2万円余ります。

(4) 借りたお金を返す

当初借りた1万ドルを返却します。
その結果、為替差益として2万円が残りました。

売りから入った場合は、元の通貨が高くなると利益が出る

上の例で言いますと、売った米ドルの価格が安くなれば、それを買いなおした際に利益が出ます。

米ドルの価値が下がった時、相対的に円は高くなっているので、円高方向に進むと利益が出ます。

FXは為替がどのように動いても利益を生むことができる。

FX取引では、上記の様に買い注文・売り注文のどちらでも取引をスタートすることができます。

従って、戦略次第で、為替相場がどのように動いたとしても利益が出るようになっています。

取引戦略をしっかりと練って、着実に利益を積めるようにしましょう。