組み合わせで見るローソク足! より市場の息吹を感じるために
前回(一生使える重要知識! ローソク足の基本のキの字)でご紹介したように、ローソク足は非常に広く用いられている重要なチャートです。
ある一定期間の4本値を示していますので、設定された時間ごとに連続的にローソク足が追加されていきます。
すなわち1分足なら1分おきに、30分足なら30分おきに新たにローソク足が追加されます。
ローソク足は単体でもある程度の情報量を持ち、そこから市場の動向を読み取ることができますが、複数のローソク足を総合的に見ることによって、さらに市場の動向を深く観察することができます。
ローソク足の組み合わせのパターンは本当に多く、さまざまなものがありますが、ここでは基本的なものについて紹介・解説を行います。
2本のローソク足の組み合わせでなるもの
不連続線(窓)
隣接した2つのローソク足で、現在のローソク足の価格と直前のローソク足の価格に差があり、空間があいている状態のことを指します。
この開いた空間のことを窓と言います。
窓が生じるときは、現在の相場の流れが強いため、しばらくその動きが継続することが多いです。
窓は相場の転換時に現れることが多く、そのため格言のようなものも多々存在します。
- 押しは窓まで
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窓を開けて上昇した相場は、その後窓を開ける前の株価に近づくことが多いという話。
逆に、窓を開ける前の相場以下に下がることは少ないと言われています。
- 明けの明星
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窓を開けて下降した結果、下ヒゲの長い陰線が生じ、その後さらに窓を開けて陽線が出現した状態を指します。
相場が下降している際にこれが出た際は、底打ちのサインとしてとらえられ、その後の相場は上昇することが多いと言えます。
- 宵の明星
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明けの明星の逆です。
窓を開けて上昇した結果、上ヒゲの長い陽線が生じ、その後さらに窓を開けて陰線が出現した状態を指します。
相場が上昇している際にこれが出た際は、天井のサインとしてとらえられ、その後の相場は下降することが多いと言えます。
抱き線
陽線・陰線が隣り合っており、隣接してる直前の陽線(陰線)よりも、現在の陰線(陽線)の柱部分の方が大きい状態を指します。
■ 高値圏において陰線の抱き線が出た場合(図B-1)
⇒ その後相場は下降することが多い
■ 底値圏において陽線の抱き線が出た場合(図B-2)
⇒ その後相場は上昇することが多い
はらみ線
陽線・陰線が隣り合っており、隣接している直前のローソク足の柱部分が現在のローソク足よりも大きい状態を指します。
抱き線とは逆の状態です。
■ 高値圏で陽線のはらみ線が出た場合(図C-1)
⇒ その後相場は下降することが多い
■ 底値圏で陰線のはらみ線が出た場合(図C-2)
⇒ その後相場は上昇することが多い
出会い線
隣接する直前のローソク足の終値と、現在のローソク足の始値がほぼ同じ状態を指します。
■ 直前が陰線で現在が陽線の場合(図D-1)
⇒ その後相場は上昇することが多い
■ 直前が陽線で現在が陰線の場合(図D-2)
⇒ その後相場は下降することが多い
振り分け線
隣接する直前のローソク足の始値と、現在のローソク足の始値がほぼ同じ状態を指します。
■ 直前が陰線で現在が陽線の場合(図E-1)
⇒ その後相場は上昇することが多い
■ 直前が陽線で現在が陰線の場合(図E-2)
⇒ その後相場は下降することが多い
毛抜き
隣接する直前のローソク足と現在のローソク足とで、高値同士もしくは安値同士がほぼ同じ状態を指します。
■ 高値同士が同じ場合(図F-1)
⇒ 毛抜き天井と呼び、その後相場は下降することが多いです。
■ 安値同士が同じ場合(図F-2)
⇒ 毛抜き底と呼び、その後相場は上昇することが多いです。
3本以上のローソク足の組み合わせでなるもの
三平
陽線もしくは陰線がそれぞれ3連続で形成されている状態を指します。
■ 陽線が3連続している場合(図G-1)
⇒ 赤三平と呼び、その後相場は上昇することが多いです。
■ 陰線が3連続している場合(図G-2)
⇒ 黒三平と呼び、その後相場は下降することが多いです。
三尊
連続するローソク足によって、図のように3つの山と2つの谷を形成している状態を指します。
真ん中の山が最も高く、3番目の山の高さは1つ目と同等かそれ以下となります。
真ん中の山が形成される際に高値を更新しているものの、その後3つ目の山の形成時に高値を更新することができず、上昇の勢いが止まっていることを示しています。
従って、三尊が形成された場合、その後相場は下降することが多いです。
下降した場合の下がり幅は、3つの山で形成される底値と高値の差と同様になりやすくなっています。
逆三尊
連続するローソク足によって、図のように2つの山と3つの谷を形成している状態を指します。
真ん中の谷が最も深く、3番目の谷の深さは1つ目と同等かそれ以下となります。
真ん中の谷が形成される際に底値を更新しているものの、その後3つ目の谷の形成時に底値を更新することができず、下降の勢いが止まっていることを示しています。
従って、逆三尊が形成された場合、その後相場は上昇することが多いです。
上昇した場合の上り幅は、3つの谷で形成される底値と高値の差と同様になりやすくなっています。
まとめ
実際に取引をしていると、ローソク足の組み合わせが無数にあることがわかります。
その中でもよく見られるものをまとめました。
これらを参考にして、市場がどのように動いているのかを観察してみると面白いと思います。
次は、相場の全体的な流れを読みとる「トレンド」について解説します。