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具体例と一緒に覚える為替変動リスク

為替リスクの具体例

全てはここから! 証拠金ってなんだ?」でも解説した通り、FX(外国為替証拠金取引)では一定の証拠金を預けることで、それ以上の金額を取引することができます。

前項の「FXって危ないの? リスクをしっかり覚えておこう!」でも触れましたが、FXにはリスクがあり、万が一の場合には一文無しになってしまう可能性ももちろんあります。

ここでは、最も身近なリスクである「為替変動リスク」について、具体例を交えて紹介します。

預けたお金以上の損失が出る可能性もあることを覚えておこう

前述の通り、FXではレバレッジをかけることで自分が持っている金額以上の取引が可能です。

レバレッジをかけて無理な取引を行うと、資金が簡単に底をついてしまうこともあるので注意が必要です。

※ レバレッジに関して:レバレッジを理解する。FXの大きなポイント!
※ 証拠金に関して:全てはここから! 証拠金ってなんだ?

リスクケース レバレッジ25倍での取引

取引証拠金50万円をFX口座に預け入れ、その後レバレッジを25倍にして1ドル100円で10万ドルを購入するとします。

取引条件

・ 取引証拠金:50万円
・ レバレッジ:25倍
・ 通貨ペア:ドル/円
・ 購入時レート:1ドル100円
・ 購入金額:10万ドル
・ 必要証拠金は「取引金額×現在のレート÷レバレッジ」で求める

この条件ですと、

10万ドル × 1ドル100円 ÷ レバレッジ25倍 = 40万円

上記の式により、必要証拠金は40万円となります。
取引証拠金として50万円を入れていますので、取引を行うことが可能です。

ちなみに、この時点で購入した10万ドルは

10万ドル × 1ドル100円 = 1000万円

となり、日本円で1000万円分の価値があることになります。

しかし、ドル/円のレートが1ドル95円まで下がってしまったらどうなるでしょうか。

為替相場の変動

10万ドル × 1ドル95円 = 950万円

このように、持っている10万ドルの価値が日本円で950万円まで下がり、

評価損益 = 950万円 - 1000万円 = -50万円

50万円の評価損(含み損)が出たことがわかります。

従って、取引証拠金が50万円ですので、

有効証拠金 = 50万円 - 50万円 = 0円

有効証拠金が0になってしまいます。

そして、現在の必要証拠金は

10万ドル × 1ドル95円 ÷ レバレッジ25倍 = 38万円

となるため、取引を継続するためには必要証拠金38万円がいるということがわかります。

有効証拠金が0ですので、当然ながら取引を維持することができなくなります。
従って、この時点で決済を行い、取引を完了しなければなりません。

損益の確定

さて、持っている10万ドルは

10万ドル × 1ドル95円 = 950万円

となり、日本円で950万円となっています。取引開始時点から比べ、50万円減ってしまいました。

FXは差金決済なので、この50万円分を支払わなくてはいけません。
取引証拠金として預けているのが50万円ですので、すっからかんになってしまったことがわかります。

まとめ

このように、レバレッジが大きいほど、少しの値動きで大きな損失を被る可能性があります。
確かに為替相場が思うように動けば大きな利益を得られますが、ハイリスク・ハイリターンの取引である、ということを忘れないようにしましょう。

場合によっては、資産がマイナスになってしまうこともありますので、取引を行う際には注意が必要です。

次項では、皆さんの資金を守ってくれる、大きな損失を防ぐための機能の一つ、ロスカットを解説いたします。