円高・円安はなぜ起こる!? 通貨価値変動の秘密
前項では円高・円安の基本的な仕組みと、それを利用したFX取引で利益が出る仕組みについて解説しました。
このページでは、円高・円安についてもう少し掘り下げ、そもそもなんで通貨の価値が変動するのかについて解説したいと思います。
欲しい人が多ければ、モノの値段が上がってくる
通貨は「お金」ということで、特別視されがちですが、広い目で見ると単なる紙や金属でできた「モノ」であり、商品ということができます。
つまり、日常で私たちが売買しているお菓子屋家電製品なんかと全く同じです。
オークションをイメージしていただけるとわかりやすいと思います。
ある家電製品をオークションにかけたところ、それがとても人気で売り切れ続出の製品でしたので、入札する人がたくさん出ました。
すると、落札価格はどんどん上がり、定価よりも高くなるなんてこともたくさんあります。
逆に全く人気のない商品ですと、落札額は上がらずに定価より低くなる、もしくは誰も入札しないなんてこともあります。
お金にもこれと同じことが言え、その通貨を欲しがる人が多ければ価値が上がり、欲しがる人が少なければ価値は下がっていきます。
強い国の通貨は欲しがる人が多い
世界にはいろいろな国がありますが、そのどれもが平等な力を持っているわけではありません(残念ですが)。
世界最強の軍隊と経済力を持つアメリカと、長い間植民地にされ今も支援を受けているアフリカの一国では、世界的な力の差があることはわかっていただけることでしょう。
少し前述しましたが、通貨だって紙や金属でできたただのものです。それが価値を持っているのは、それを発行している国が、その価値を保証しているためです。
従って、仮に通貨を発行している国がつぶれてしまえば、その通貨はただの紙屑・鉄くずになってしまいます。
よって、絶対につぶれない経済力を持った国の通貨の方が、そうでない国の通貨よりも欲しがる人が多いのです。
経済状況で通貨の価値が変動する
前述したとおり、通貨は欲しがる人が多ければ価値が上がりますし、少なければ下がります。
欲しがる人=買う人
いらない人=売る人
ということができ、つまりは通貨の価値は誰かが売ったり買ったりすることによって変動すると言えるのです。
そして、この通貨の売買は経済状況に応じて行われます。
例えばA国という国の経済が、これから好調になることが予想できている場合、
経済が好調になる
→A国の通貨を欲しがる人が増える
→A国の通貨の価値が上がる
→A国の通貨を売ると利益が出る!
という流れになると考えられます。
従って、経済が好調になると予想された時点で安くA国の通貨を買っておけば、価値が上がってから売ることで利益を得ることができるのです。
逆に、A国の経済がこれから不調になると予想されている場合には、
経済が不調になる
→A国の通貨がいらない人が増える
→A国の通貨の価値が下がる
→A国の通貨を持っていると損する!
という流れが予想できるため、経済が不調になると予想された時点で早めにA国の通貨を売ってしまうことで、損失を免れることが可能です。
このように、その国の経済状況がこれからどのように変化するかが予想され、それに基づいて通貨が売買されることで、通貨の価値が変動することになります。
まとめ
通貨の価値は、発行国の経済状況に左右されて変動します。
経済が良い方向に進みそうなら買われ、悪い方向に進みそうなら売られやすくなるからです。
ちなみに、発行国の経済状況の影響をあまり受けない例外的な通貨もあります。
そしてその代表格がわれらが日本円なのですが、それに関してはまた別の機会に解説します。
次の項では、外国為替という市場の特徴について解説します。