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万が一の時のロスカット! あなたを守る最後の砦!

ロスカットでリスク回避

前項までに開設した通り、FX(外国為替証拠金取引)では、場合によって非常に大きな損失を被ることがあります。
資金がゼロになるどころかマイナスとなることも。

ただし、それを防ぐための機能がFXには多く備えられています。

そのうち、トレーダーの資金がマイナスにならないように、最後の砦として皆さんを守ってくれるのが「ロスカット」です。

ロスカットでは持っているポジションがすべて決済される

ロスカットとは、具体的に言いますと”ある程度の評価損が生まれた時点で、それ以上損失が膨らまないうちに決済を行う機能”のことです。

証拠金維持率がFX取引会社・口座ごとに定められたある一定の基準に達すると強制的に決済されます。

下の図のようにレートが現在以上に悪くなった場合を考え、それ以上損失が出ないように(資金がマイナスにならないように)自動的に決済をしてくれます。

ロスカット

しかしながら、当然相場が好転すれば評価損がゼロ、または評価益が出る可能性もあるだけに、ロスカット機能は余計だと考える方もいらっしゃいます。

確かにトレーダーの意思に関係なく損失を確定してしまうのですが、資金がマイナスになるという最悪のケースを未然に防ぐためのシステムですので、ロスカットは非常に重要なルールであると言えるでしょう。

ロスカットされる条件は各社ごとに異なる

すでに述べましたが、ロスカットが適用される条件はFX取引業者・口座ごとに異なります。

多くの場合、証拠金維持率が50%前後を切った場合にロスカットされることが多いようです。
また、トレーダー自身が自分でロスカットの適用値を設定できる口座もあります。

ロスカットは皆さんの取引とその結果を左右する大切な要因の一つですので、FX口座を選ぶ際にも確認しておくことをお勧めします。

ロスカットされないと、損失が増え続ける可能性がある

ロスカット機能がないと、相場の状況に関わらずポジションを保有し続けることになります。

例えば下記のような取引を行うとします。

■ 基本条件
・取引証拠金:10万円
・レバレッジ:20倍
・1ドル100円で1万ドルを購入

□ 必要証拠金
1ドル100円 × 1万ドル ÷ レバレッジ20倍 = 5万円

□ 為替相場の変動
1ドル92円の円高ドル安方向に相場が動く

□ 評価損益の発生
(92円-100円)× 1万ドル = -8万円
8万円の評価損が発生

□ 証拠金維持率
・ 必要証拠金:92円 × 1万ドル ÷ 20 = 4万6000円
・ 有効証拠金:10万円 - 8万円 = 2万円
・ 証拠金維持率:2万円 ÷ 4万6000円 = 43%

証拠金維持率が50%を切りましたので本来ロスカットされますが、されなければさらに相場が悪化する可能性があります。

□ さらなる為替相場の変動
1ドル80円まで動く

□ 評価損益の変動
(80円-100円)× 1万ドル = -20万円
20万円の評価損が発生

□ 取引結果
・ 取引証拠金:10万円

支払うべき為替差損は20万円ですので、10万円の借金状態になってしまいます。

ロスカットされると損失が確定される

すでに述べましたが、ロスカットされると持っているポジションがすべて決済されます。

セントラル短資FXのウルトラFXなど、一部ポジションごとのロスカットが適用される口座もあります。

例えば上述の例に、

・ロスカット:証拠金維持率が50%を切った時点で適用

という項目を加えるとどうなるでしょうか。

□ 取引き条件の追加
・ロスカット:証拠金維持率が50%を切った時点で適用

□ 為替相場の変動
1ドル94円まで円高ドル安方向に変動

□ 評価損益の発生
(94円-100円)× 1万ドル = -6万円の評価損

□ 有効証拠金の変動
・ 評価損:6万円
・ 有効証拠金:10万円 - 6万円 = 4万円

□ 必要証拠金
1ドル94円 × 1万ドル ÷ レバレッジ20倍 = 4万7000円

□ 証拠金維持率
4万円 ÷ 4万7000円 × 100 = 85%
⇒この時点ではまだロスカットは行われない。

□ さらなる相場の変動
1ドル92円まで動いたと仮定。

□ 評価損益の変動
(92円-100円)×1万ドル=8万円

□ 証拠金維持率
・ 必要証拠金:92円 × 1万ドル ÷ 20 = 4万6000円
・ 有効証拠金:10万円 - 8万円 = 2万円
・ 証拠金維持率:2万円 ÷ 4万6000円 = 43%
⇒証拠金維持率が50%を切る

従って、ロスカット条件に当てはまり、強制的に決済が行われます。

□ 取引結果
・為替差損:8万円

すなわち、8万円の損失で済み、口座には2万円の資金が残るのです。

まとめ

相場が好転する可能性もあるのにロスカットされると、釈然としない気持ちになる方もいらっしゃると思いますが、皆さんの大切な資産を守る重要な仕組みです。

次は、ロスカット一歩手前の守り神、マージンコールについて解説します。