頼りになるすごいやつ!移動平均線を押さえよう
移動平均線は一定期間内の平均価格を示す
移動平均線を簡単に言うと、「一定期間内の終値の平均値」です。
※ まれに終値以外を用いる場合もあります。
・ 5日移動平均線 ⇒ 直近5日間の日足の終値の平均値
・ 20日移動平均線 ⇒ 直近20日間の日足の終値の平均値
・ 200日移動平均線 ⇒ 直近200日間の日足の終値の平均値
・ 13週移動平均線 ⇒ 直近13週間の週足の終値の平均値
・ 40週移動平均線 ⇒ 直近40週間の週足の終値の平均値
このように、平均をとる期間を直前に付け、「○○移動平均線」と呼びます。
移動平均線と現在のレートから相場の動向を把握できる
移動平均線は過去の一定期間の(終値の)平均値を用いているため、その期間内における為替の平均的な売買価格を示していると言えます。
従って、現在の為替レートとの関係によって、トレンドを生みやすいという特徴があります。
■ 現在の価格が移動平均線の値を下回った場合
過去に取引したトレーダーは概ね移動平均線の値で買っている
⇒ 現在の価格が下回ったため、含み損が発生したことになる。
⇒ 損切をしようと売りが殺到する
⇒ さらに為替レートが下がる
⇒ 下降トレンドの形成
■ 現在の価格が移動平均線の値を上回った場合
過去に取引したトレーダーは概ね移動平均線の値で売っている
⇒ 現在の価格が上回ったため、含み損が発生したことになる。
⇒ 損切をしようと買いが殺到する
⇒ さらに為替レートが上がる
⇒ 上昇トレンドの形成
このように、現在の価格が移動平均線を跨ぐ形になる場合、相場の状況に何かしらの形で影響を及ぼすことが多いので、注意が必要です。
移動平均線は組み合わせで見るのが良い
移動平均線は、平均値をとる期間によって「5日移動平均線」「200日移動平均線」などと多数あることはすでに解説しました。
これらの移動平均線を複数同時に組み合わせて観察することで、売買のタイミングを知ることが可能です。
移動平均線の日数は為替市場の営業日数に合わせると効果的
移動平均線の平均をとる期間として押さえておきたいのが下記の表の移動平均線です。
横:移動平均 縦:チャート種別 |
短期線 | 中期線 | 長期線 |
---|---|---|---|
日足 | 5日(=1週間) | 25日(=1か月) | 75日(=3か月) |
週足 | 13週(=3か月) | 26週(半年) | 52週(1年) |
月足 | 12か月(1年) | 24か月(2年) | 36か月(3年) |
このように、為替市場の動きのある日数に合わせて設定を行うことで、より正確に動向を知ることができます。
ゴールデンクロス・デッドクロスは売買の方向とタイミングを示す
移動平均線が相場のトレンドを形成しうることはすでに述べました。
これは、移動平均線の動向がトレンドの動向にも追随しやすいことを示します。
つまり、移動平均線が上向きの時は上昇トレンド、下向きの時は下降(下落)トレンドになりやすい、ということです。
※ トレンドについては「トレンドに乗って利益を乗せる!傾向とタイミングをつかもう」を御確認下さい。
ただし、例えば5日移動平均線のみで判断すると、直近では上昇トレンドであっても、長期的には下降トレンドだった、という読み違えも発生しやすいです。
長期になるほど移動平均をとる期間が長くなるため、変動は緩やかになり、相場の大きな流れを反映しやすくなります。
従って、直近の相場の流れを示しやすい短期移動平均線と、相場の大きな流れを捉える中長期移動平均線を交えて観察し、総合的にトレンドを判断しましょう。
○ 短期線・長期線が共に上昇 ⇒ 上昇トレンドになりやすい
○ 短期線・長期線が共に下降 ⇒ 下降(下落)トレンドになりやすい
さらに、短期線が中・長期線を跨ぐ形で推移したとき、トレンドが発生しやすいと言われています。
この現象をゴールデンクロス・デッドクロスと呼びます。
- ゴールデンクロス
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短期移動平均線が中・長期移動平均線を下から上に突き抜けた状態のことを言う。
上昇トレンドが来る予兆とされ、買いサインとして用いられることが多い。
- デッドクロス
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短期移動平均線が中・長期移動平均線を上から下に突き抜けた状態のことを言う。
下降(下落)トレンドが来る予兆とされ、売りサインとして用いられることが多い。
移動平均線の注意点
移動平均線を用いた、ゴールデンクロスやデッドクロスをはじめとする売買サインは非常にわかりやすいため、その裏をかいて利益を獲得しようという流れも少なからず存在します。
また過去の一定期間の平均をとるという特性上、相場の一過性の変動やリアルタイムでの相場の変動を反映するのは不得意です。
従って、移動平均線から得られる売買サインのみを頼りに取引を行うのは少々心許ないとも言えます。
他の指標と組み合わせて、テクニカル分析の確度を高めるための補足として用いるのが有効かもしれません。