スワップポイントってなに? 為替差益だけがFXじゃない!
皆さんは貯金をしていますでしょうか。
投資について学んでいる方であれば、それなりの貯金をお持ちだと思います。
貯金をすると、金利がついて元金に上乗せされることは誰もが知っているでしょう。
100万円を日本の普通預金口座に預けて、倍になるためにはどのくらい預けておけばいいと思いますか?
日本の場合、普通預金の金利は年0.03%ほどですので、倍の金額になるためにはおよそ2300年の年月が必要です!
上の写真の兵馬俑が紀元前200年くらいのものなので、それよりさらに100年前に預けて、今頃倍になっている感じですね!
この金利というのは国ごとに異なります。その差のことをスワップポイントと呼んでいます。
FXでは1日ごとに金利がスワップポイントがもらえる
スワップポイントはスワップ金利とも言います。
上述のとおり金利は国によって異なりますので、FXで他国の通貨の売買を行うと、その金利の差が影響してくるのです。
図のように、低い金利の通貨を使って高い金利の通貨を買うと、本来もらうべき金利を損していることがわかります。
この損を補填するために付与されるのが、スワップポイント(金利)です。
スワップポイントはロールオーバーすることでもらえる
FXでは、金利は1年ではなく1日ごとに計算され、付与されます。
したがって、ポジションを保有し、決済せずに次の日に持ち越すと、スワップポイントがもらえます。
このように、持っているポジションを決済することなく次の日に持ち越すことを「ロールオーバー」するといいます。
スワップポイントは支払うこともある
逆に高い金利の通貨で低い金利の通貨を購入すると、本来もらうべきではなかった金利を受け取っていることになります。
したがって、スワップポイント分を支払わなくてはいけません。
このロールオーバーすればするほど、支払わなくてはならないスワップポイントは増えて生きますので、取引の際には注意が必要です。
円に比べれば大体が高金利通貨
上述しましたが、日本は世界でも有数の低金利国家です。
したがって、日本円を使用して他国通貨を買った場合、ほとんどスワップポイントをもらうことができます。
逆に、他国通貨で円を買った場合には、スワップポイントを支払わなければいけないケースが多いのでよく確認してください。
ランドの発行国、南アフリカは世界屈指の高金利国家として知られており、金利は年間5.5%です。
(2014年6月2日現在の政策金利)
一方、2014年6月2日現在、日本の政策金利は0.1%です。
したがって、金利差は
5.5% - 0.1% = 5.4%
この金利差から受け取れるスワップポイントを計算します。
1ランド=10円であるとすれば、
10円 × 10万ランド × 5.4% = 5.4万円(年間)
5.4万円 ÷ 365日 = 約148円(1日)
したがって、1日に約150円のスワップポイントを受け取ることができるのです!
スワップポイントのつき方まとめ
・ 低金利通貨で高金利通貨を買う
⇒ スワップポイントがもらえる
・ 低金利通貨で高金利通貨を売る
⇒ スワップポイントを支払う
・ 高金利通貨で低金利通貨を買う
⇒ スワップポイントがもらえる
・ 高金利通貨で低金利通貨を売る
⇒ スワップポイントを支払う
※ 「 低金利通貨で高金利通貨を売る」「高金利通貨で低金利通貨を売る」については、後に解説する「「売りから入る」って? 取引の仕組みを再確認をご確認ください。
スワップポイント狙いの取引は為替変動リスクへ一層の注意が必要
FXはスプレッドがあるので、取引を行うたびにある程度FX会社に手数料を支払う形になっています。
その点、持っているだけでもらえるスワップポイントを活用すれば、1度の取引で効率よく利益を出すことができるでしょう。
もちろん、決済することで為替差益も受け取れるため、二重においしいと言うことができます。
しかし、スワップポイントである程度の利益を狙うためには長期保有が前提です。
高金利通貨というのは、
・ もともと政治・経済が不安定な国に多い ⇒ 通貨価値の変動が激しい
・ 通貨の発行量も少ないため ⇒ 一度為替相場の流れが決まると元に戻りにくい
このような特徴があるため、スワップポイントがもらえるからとポジションを放置しすぎると、為替差損でそれまで受け取っていたスワップポイントが一瞬にして消し飛ぶ、何てことも多いです。
しかも、あわてて決済しようとしても、約定しないことも多々あります。
そもそも「発行量が少ない=需要が少ない」ということなので、欲しがる人がその他の通貨に比べて少ないのです。
当然、欲しい人がいなければ売ることはできません。
まとめ
スワップポイントを活用した取引は持っているだけで利益が生まれ、また為替差益も狙うことができるため、非常に有効な取引手段といえます。
しかし、為替変動リスクもその分大きな通過が多いので、なるべくこまめに相場の確認を行うことが重要です。